鹿屋発「地域ケア」の取り組みー地域で普通の暮らしをー

社会福祉法人恵仁会理事長 池田 志保子

 

私の原点

私は、恵まれた自然環境と心豊かな人々の住む、「鹿屋」に生まれ育ちました。
社会福祉法人恵仁会「鹿屋長寿園」は、特別養護老人ホーム、デイサービス、グループホーム、ショートステイ等のほか、鹿屋市の委託事業である、訪問給食、高齢者世話付住宅サービス、生きがい対応型デイサービスなどの事業を行っています。
私の介護福祉の原風景は、昭和30年代後半、父の背中から見た、蚊帳の中に一人ポツンと寝かされた患者さんの姿です。
医者である父は、家族が働きに出た後、冷たいご飯と味噌汁だけが傍に置かれたお年寄りを見て、何とか社会復帰させたい、その為の高齢者施設を創りたいと考え、施設設立の要望書を国に提出しましたが、許可が出たのはそれから4 年後のことでいた。
その当時の老人施設の働きがビデオになっていますが、その映像を見ると、ほとんどの人は在宅復帰、社会復帰しています。その後、40年の時間が流れ、いつの頃からか、特養は「終の棲家」になってゆきました。

 

介護事業の取組みと「老年学」

老人ホームは「終の棲家」なのか・・という疑問が私の中で、大きく膨らんできました。
設立当時のような特養に戻したい。自宅に帰れない時には、高齢者を深く理解できるスタッフによって、施設で家庭的なサービスを提供してゆきたいと思うようになってきました。
私自身が高齢者を深く追求したいと考えるようになり、2002年から2年間、東京の桜美林大学大学院で「老年学」を学び修士課程を修了しました。その後、国際医療福祉大学大学院で竹内 孝仁教授のもとで学び博士課程を修了しております。今後、更なる高齢社会の中で、多様化するニーズに対応することと、地域に求められる介護事業を展開するために職員と共に歩んで参りたいと思っております。